夏の終わりと、母との別れ その7

お医者様に呼ばれた際、最初に聞かれたのは「病気のことはご存知ですか?」でした。


心当たりのない、わたしたち家族が「腰痛のことですか?」と尋ねると…

「実際見る方が早いでしょう」と母のところに案内されて。


そこで見せられたのは、腐り落ちる寸前のような…

ひどく化膿して爛れたような衝撃的な患部でした。。。


それを見た瞬間に「ああ、もうダメなんだ」と、ハッキリと理解した気がします…。


普通では、ありえないような光景だったから。

この体調で、この状態を完全に回復させることは、不可能だと。

一瞬にして家族に諦めさせるくらい、思ってもみない光景で…


これに耐えて隠し通した、母親の余りの頑固さ

眩暈がするような気持ちがしたのを覚えています。



でも、悪い知らせはこれだけではありませんでした。



さらに追い打ちをかけるように。


25年前の乳癌の再発ですかね。

 頭蓋から内臓から骨まで転移していて、手の施しようがありません。


と頭や骨や肝臓のMRIを見せられながら…

どれだけ癌が進行しているかを、教えていただきました。


「ここまで進行してから来られる方というのは、まずいません。

 半年〜1年前には違和感があっただろうし、本人は再発に気づいていたのでは…

 皮膚の外側に症状が出ていたのだから、わからないはずがない。

 春の段階で病院に来ていても、すでに手遅れだったでしょう。

 ご本人に何らかの思いがあったんでしょうね…」



そう言われた、父と弟と私は。

泣くよりも悲しむよりもまず、呆然としていた気がします。


だって、だって、さっきまで腰痛が主原因だと思っていて…

なのに癌が、頭も骨も内臓も…

どこもかしこも、手遅れだってわかるくらいにしっかりと巣食っていて…



先程の、患部を見た時以上の衝撃でした。

もう絶対に無理、欠片ほどの希望も持てないと思い知らされました…。


お医者様からの、悪い知らせはまだ続きます。

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