夏の終わりと、母との別れ その10

母の手帳に、最期に書き残されていたメッセージのうちに。

こういうものがありました。



担当医様

ざこつしんけいばかりと思ってました

骨ガンにてんいしてたのでしょう

手術はやめてやすらか眠らせて下さい

くいはありません



母は腰痛だと、坐骨神経痛だとずっと話していました。


わたしたち家族に嘘をついていたわけではなくて…

母自身も、最初はそう信じていたんでしょうか。

いよいよ力尽きる時まで、そう信じたいと思っていたんでしょうか。


でも癌だと、一体どこで気づいたんでしょう?

メールや検索履歴に、そういう情報は一切ありませんでした。


腰の痛みと筋肉の劣化で動けなかったので、こっそり病院へ行けたはずもなく。


乳がんについては、お医者様の言われたように。

肌の表面にまで、あれだけ症状が出ていたら…気づかないわけがないでしょう。


ただ腰については、最後の最後まで…

転移という可能性を思いつつも、腰痛だと信じたかったのかもしれません…。


腰痛であるなら、身体はまたきっと動くようになるはず。

死は覚悟していても、腰痛が治れば…

その前にやりたいことをやる時間が、とれるはず。


そう思って、筋肉が落ちて動かない足を身体を叱咤して。

治療院に通っていたんでしょうか…。



母には学生時代の仲の良い友達たちと、ここ数年よく旅に出ていて。

この10月にも、旅行の計画を立てていたそうです。


昨年はベラビスタに行った、温泉に行ったと楽しそうに話していましたし。

この春も腰の痛みを堪えて京都に行き、その時の話も聞かせてもらいました。


そして10月の旅行もすごく楽しみにしていたようで…

その他のお友達にも旅の計画を話していたり、着ていく服の準備をしていたようです。


最期にこれだけは…と思って、必死に癌の進行に抗っていたのかもしれません。

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